【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

研究は戦争を止められない!!/廣瀬陽子(24/27) _学究達=488

2023-06-27 05:10:01 | 史蹟彷徨・紀行随筆
ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年06月27日<ⰧⰊⰧ
◆ 陸軍の軍人さんがこっそり黒竜江省へハイキングしていたところ、中国軍がスパイと認識し嬲り殺しにする(1931年=中村大尉事件)。  ◆ 練馬区の不動産屋が、不法に物件を占有している一家を血祭りに挙げて退去させることに成功(1983年)。  ◆ 松本智津夫が、ビートたけしの向こうを張って自分の名前と同じ都市で毒ガスパフォーマンス(1994年=松本サリン事件)。

本日記載附録(ブログ)

ロシアがウクライナに侵攻した背景とその行方を広厚に理解すべく、旧ソ連諸国紛争や「未承認国家」「ハイブリッド戦争」の著作

日本の政治学者=国際政治・比較政治学・コーカサス地域が研究テーマ

=黒海地域の国際関係・政治経済変動などが主な業績=

研究課題“ロシアのハイブリッド戦争とその影響”/‘14年12月以降 継続中

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

廣瀬陽子(24/27)

◇◆ 第8回 旧ソ連諸国から軽視され始めたロシアとウクライナ侵攻のこれから=1/4= ◆◇

それでは、これからのウクライナ・ロシア情勢はどのようになっていくのか。

 ニュースで語られるような戦況の報告だけでなく、国内外の研究者ネットワークでの議論、周辺国の動向などをウォッチしている廣瀬さんに、中長期的な見通しについて、考えを語ってもらおう。「従来の理論が崩れた」ことで、虚心に事態を見ていかざるをえなくなった廣瀬さんだからこそ、その言葉に耳を傾けたい。

「まず、この紛争は、長引くだろうと思っています。長引く中で『凍結された紛争』のようになる可能性は結構高いのではないかと思います。つまり、今回、双方とも負けを認めないと思うんですよね。でも、停戦しないといけないとなると、勝敗を決めずに、これから例えば10年間、現状を固定化しましょう、というような合意をし、しかし、その合意は恒久的ではなくて、いずれどちらかがかなり復活してきたらまた戦闘を仕掛けるというようなシナリオが、一番ありそうだと思います。

 ロシアのほうが兵員不足、経済的困窮などで、先に厳しくなる可能性が高いと思いますが、それでも、負けたとは言えないと。一方、ウクライナも決して余裕があるわけではないし、今後の復興を考えると、なるべく早く停戦したほうがいいわけですよね。そこで、何かちょっと時限的な、中途半端なディールが生まれる可能性が高いと思います」

「凍結された紛争」は、廣瀬さんがフィールドにしてきたコーカサス(カフカス)地方の未承認国家でもよく観察されてきたことだ。決着がついたわけでもないのに停戦合意が交わされ、その後、何かの拍子にふたたび火を噴くまで、凍結される。その期間は、十年、二十年となることもある。

 ならば「中途半端なディール」でも行いたいという徴候は、すでに出ているのだろうか。

「はっきりとしたサインは双方ともありません。ただ、食糧問題という世界に影響を与える問題では、一定の歩み寄りが見られます。トルコ、ロシアが食糧問題をめぐり、ハイレベルな接触を経て、7月22日にはロシア、ウクライナ、トルコ、国連の4者合意が成立し、黒海の3つの港からの穀物輸出が可能となりました。

 合意翌日の23日にロシアがその3つの港の一つであるオデーサを空爆したことから、本合意の動向が強く懸念されましたが、一応、食糧輸出は行えるようになった状況です。この食糧輸出問題での合意は、限定的ながら、敵対するロシア、ウクライナが歩み寄れた一つの実績といえ、ポジティブに受け止めるべきでしょう。しかし、戦争そのものに関する交渉はまだまだ始められる状況ではなさそうです」

 というわけで、ことロシア、ウクライナ双方の動向から、停戦にいたる道筋が見えるのは、残念なことにまだ随分先のことになるかもしれない。

・・・・・・明日に続く・・・・・・・・

Ω・Ω・Ω 首脳会談も無力「ロシア軍侵攻」欧州が見誤った事=2/4= Ω・Ω・Ω

アメリカのトランプ前大統領は「プーチンは天才的だ」と外交手腕を称賛し、「自分が相手なら彼は今回のような行動には出なかったはず」といつもの自画自賛のメッセージを流した。

自身も2月11日にモスクワを訪問したイギリスのベン・ウォレス国防相は、ロシアの軍事侵攻阻止のため宥和策を土壇場で示す西側の外交努力について「ミュンヘンの気配がする」と述べ、物議を醸した。

ロシアの軍事侵攻を警告したウォレス氏は、「彼(プーチン)が戦車のエンジンを切るだけで、私たちは皆、家に帰れるが、西側のどこかからミュンヘンの気配が漂っている」と付け加えた。

失敗の宥和策だったミュンヘン協定の二の舞?

「ミュンヘンの気配」とは第2次世界大戦前夜の1938年9月、ドイツ系住民が多数を占めるチェコのズデーテンの領有権を主張するドイツのアドルフ・ヒトラー総統に対し、イギリスとフランスの首脳が、これ以上の領土要求を行わないことを条件に、ヒトラーの要求を全面的に認めたミュンヘン協定を指す。

ところが、ヒトラーは停戦協定を破ってチェコに侵攻し、欧州を第2次大戦に引きずり込んでいった。イギリス、フランスを手玉に取られた外交として知られ、ナチスドイツの覇権を一挙に拡大させた「失敗の宥和政策」として語り継がれている。戦争回避を取り付けたイギリスのチェンバレン首相やフランスのダラディエ首相が英雄気取りで帰国する中、ヒトラーは2人がいかに愚か者かと周辺に漏らしていたことが知られている。

プーチン氏がすでにウクライナへの侵略に熱心である中で、ウォレス氏の発言は弱腰の欧州首脳の外交努力は効果がないとの不満の声でもあった。この発言に対し、イギリス国内では戦争の可能性が最高度に高まる中でプーチン大統領を刺激するとして、適切でないとの批判の声も上がったが、指摘は的中した。

一度は米露首脳会談実現の功労者になろうとしていたマクロン大統領は、プーチン氏の想定外の行動で冷や水を浴びた状態に陥った。同時にプーチン氏が外交交渉で一枚も二枚も上手なことを見せつけ、マクロン氏は自らの甘さとプーチン氏にとってのフランスの存在の低さを思い知らされた。

それでも4月にフランス大統領選の出馬期限が迫る中、続投を狙うマクロン氏は、外交得点なしに出馬表明する事態に陥っている。

野党候補らは最有力候補とされるマクロン氏への攻撃材料と見なし、マクロン外交の失敗として攻勢を強めている。フランス通信社AFPは「フランスの敗北」と指摘した。

無論、ショルツ首相もイギリスのジョンソン首相もプーチン氏から軽く見られていることに変わりはなく、あとはロシアへの経済制裁を実行するくらいしか、選択肢は残されていない。

・・・・・・・・明日に続く

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https://youtu.be/rRX73PReRhI  ==東野篤子×廣瀬陽子「ウクライナ反転攻勢で戦争は終わるか」==

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